AGA診療ガイドライン解説―より適切な治療を選ぶために

AGA

AGA(男性型脱毛症)の治療についてインターネットで調べると、内服薬や塗り薬だけでなく、注射、レーザー、育毛剤など、実にさまざまな治療法が出てきます。

「結局、どの治療を選べばよいのだろう?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

そんなとき、一つの判断材料になるのが**「診療ガイドライン」**です。

診療ガイドラインとは?

診療ガイドラインとは、これまでに行われた臨床研究などを専門家が検討し、**「現時点で、どの治療をどの程度勧められるか」**をまとめたものです。

AGAについては、日本皮膚科学会が「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」を公表しています。現時点(2026年10月)ではこれが最新版になります。

ガイドラインでは、それぞれの治療について科学的根拠(エビデンス)を検討し、推奨度を示しています。

推奨度は大まかに、

A:行うよう強く勧める
B:行うよう勧める
C1:行ってもよい
C2:行わないほうがよい
D:行うべきではない

という意味です。

男性のAGAで最も推奨されている治療は?

男性のAGAについて、ガイドラインで**推奨度A(行うよう強く勧める)**とされている治療は、次の3つです。

① フィナステリド内服 【推奨度A】

フィナステリドは、AGAの原因に関係する男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が作られるのを抑える薬です。

AGAの進行を抑える、いわば**「抜け毛を抑える治療」**が中心となります。

② デュタステリド内服 【推奨度A】

デュタステリドもフィナステリドと同様に、DHTが作られるのを抑える薬です。

フィナステリドが主にⅡ型5α還元酵素を阻害するのに対し、デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害します。

こちらも男性AGAに対して強く推奨されている治療です。

③ ミノキシジル外用 【推奨度A】

ミノキシジルは頭皮に直接塗る薬です。

フィナステリドやデュタステリドとは作用の仕方が異なり、毛包に働きかけて毛髪の成長を促します。

そのため、AGA治療では、

「抜け毛の進行を抑える」フィナステリド・デュタステリド
+
「発毛を促す」ミノキシジル外用

という考え方で治療を組み合わせることがあります。

「推奨度Aではない=効果がない」ではありません

ここはガイドラインを読むうえで重要なところです。

推奨度が低い治療が、必ずしも「まったく効果がない」という意味ではありません。

例えば、自毛植毛は男性では推奨度B(行うよう勧める)、LED・低出力レーザーも推奨度Bとされています。

一方で、十分な質・量の研究がまだそろっていない治療では、効果が期待されていても推奨度が高くならないことがあります。

つまり、ガイドラインの推奨度は単なる「治療法の人気ランキング」ではなく、どの程度確かな科学的根拠があるかを含めて判断したものなのです。

「成長因子注射」などはどう評価されている?

AGAクリニックでは、成長因子などを頭皮に注入する治療が行われていることがあります。

しかし、2017年版ガイドラインでは、**成長因子導入・細胞移植療法は推奨度C2(行わないほうがよい)**とされています。

これは「効果がない」と断定しているという意味ではありません。

現時点では、標準的なAGA治療として積極的に勧めるだけの十分な科学的根拠が確立されていない、と考えるのが適切でしょう。

ミノキシジルの「飲み薬」は?

ミノキシジルには塗り薬だけでなく、内服薬(いわゆるミノキシジルタブレット)を用いる医療機関もあります。

しかし、2017年版ガイドラインでは、**ミノキシジル内服は推奨度D(行うべきではない)**とされています。

ここは、推奨度Aであるミノキシジル外用とは区別して考える必要があります。

ガイドラインは「絶対的なルール」ではありません

診療ガイドラインは、すべての患者さんに同じ治療を行うためのマニュアルではありません。

年齢、薄毛の程度、進行速度、持病、服用している薬、副作用への考え方、そして患者さん自身が「どこまで改善したいか」によって、適切な治療は変わります。

また、現在公開されているAGAガイドラインは現在の最新版ではありますが2017年版です。その後にも新しい研究は発表されていますので、ガイドラインだけでなく、その後の医学的知見も踏まえて治療を考えることが大切です。

院長からひとこと

AGA治療にはさまざまな選択肢がありますが、治療費が高いから効果も高い、あるいは新しい治療だから優れている、とは限りません。

当院では、まず医学的な根拠が十分に確認されている治療を基本にすることを大切にしています。

AGAは短期間で結果を求める治療ではなく、ある程度の期間、継続して経過を見ることが必要です。

「何となく効きそうだから」ではなく、どの程度の科学的根拠がある治療なのかを理解したうえで、ご自身に合った治療を選ぶことが大切だと考えています。

当院では、推奨度Aである治療だけを、継続しやすい価格で提供しております。

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小倉メンズクリニック 院長

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