AGA(男性型脱毛症)の治療薬として広く知られているミノキシジル。頭皮に塗る「外用薬」と、錠剤として服用する「内服薬」があります。
「飲み薬の方が体の中から作用するので、よく効くのでは?」と思われる方もいるでしょう。
では、実際にはどちらの方が発毛効果が高いのでしょうか。
2024年、米国の医学雑誌『JAMA Dermatology』に、この疑問を検証した興味深い臨床研究が発表されました。
どのような研究?
この研究では、男性AGA患者90人を対象に、次の2つの治療法を比較しました。
- 内服薬グループ: ミノキシジル5mgを1日1回服用
- 外用薬グループ: ミノキシジル5%液を1日2回頭皮に塗布
治療期間は24週間(約6か月)です。
どちらの治療で毛髪が増えるかを、毛髪の密度や頭部の写真を使って評価しました。
結果は? 飲み薬が必ずしも優れているわけではない
研究の結果、毛髪の密度の増加について、内服薬と外用薬の間に統計学的に明らかな差は認められませんでした。
一方、頭頂部の写真による評価では、内服薬の方が良好な結果を示しました。
つまり、一部の評価では内服薬が優れていたものの、全体として「飲み薬の方が明らかによく効く」とまではいえない結果でした。
なお、今回の研究で差が認められなかったことは、両者の効果が完全に同じであると証明されたことを意味するわけではありません。
副作用には違いがありました
発毛効果と同じくらい大切なのが、副作用です。
内服ミノキシジルは血液を通じて全身に作用するため、頭髪以外の体毛が濃くなる「多毛症」や、むくみ、動悸などが問題になることがあります。
今回の研究では、多毛症は内服薬グループで約49%、外用薬グループで約25%に認められました。
また、頭痛は内服薬グループで多く、頭皮の湿疹は外用薬グループで多くみられました。
このように、治療法によって副作用の種類や頻度が異なります。
日本では内服ミノキシジルはAGA治療薬として未承認
日本では、ミノキシジル外用薬はAGA治療に使用されていますが、ミノキシジル内服薬はAGA治療薬として承認されていません。
内服薬には、血圧低下、動悸、むくみなどの全身性副作用があり、まれではありますが重い循環器系の副作用にも注意が必要です。
そのため、単に「飲み薬の方が強そうだから」という理由で内服薬を選ぶことはおすすめできません。
当院の考え方
小倉メンズクリニックでは、医学的根拠と安全性を重視したAGA治療を行っています。
ミノキシジルについては、国内で承認されている5%外用薬を採用しています。内服薬は安全性を重視して採用しておりません。
AGA治療では、フィナステリドやデュタステリドなど、抜け毛の原因となる男性ホルモンの働きを抑える薬も重要です。
これらの薬と、発毛を促すミノキシジル外用薬を適切に組み合わせることが、治療の選択肢となります。
AGA治療は何年も続けることが多いです。発毛効果だけでなく、安全性や長期間続けられることも大切です。
当院では、患者さんの状態やご希望に応じて、無理なく継続できる治療をご提案しています。
参考文献
Penha MA, et al. Oral Minoxidil vs Topical Minoxidil for Male Androgenetic Alopecia: A Randomized Clinical Trial.
JAMA Dermatology. 2024;160(6):600–605.
※本記事は医学研究の紹介を目的としたものであり、すべての患者さんに同じ治療効果が得られることを保証するものではありません。

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